アメリカのクレジットカードは日本のものと違い、作った時に非常に大きなボーナスがもらえます。
年会費無料のカードでも$200以上のキャッシュバックがあるものも全然珍しくなく、ハイステータスのカードであればそれだけで飛行機のファーストクラスに乗れたり、豪華なホテルで数泊出来るポイントやマイルが手に入ります。
これはアメリカがクレジットカード社会で各カード会社の競争が激しいためです。各会社が顧客を手に入れるための最初の一歩として入会ボーナスを大きくしてカードを作ってもらおう、そして長く使ってもらおう、という作戦です。
つまり顧客である我々にとっては、いくつもカードを作って入会ボーナスを沢山もらうのが美味しいわけです。
今回はそんな作戦を取る皆さんにとって、最初に知っておくべきことをまとめました。
せっかくの美味しいボーナスを台無しにしないように、しっかり最後まで読んでいってくださいね。
使った分はすぐ払った方がよい
特に初めのクレジットスコアが構築されていない間はクレジットの使用上限があまり高くありません。そして使用上限の何割を使っているかはクレジットスコアに影響を及ぼします。
基本的に使った分は早めに支払いをし、最悪でも翌月に持ち越さないようにしましょう。
加えて、クレジットカードの金利は非常に高いです。20%以上はざらです。そんな金利を払っていたらクレジットカードのメリットなんてすぐに吹き飛んでしまいます。
もっとも、クレジットカードのボーナスが高いのはこの非常に高い金利を支払ってくれている人に支えられているのではあるのですが。
皆さんはクレジットカード会社の食い物にされず、美味しいところだけを持っていけるように、必ずクレジットカードを使用したら、その支払いをするようにしましょう。
目安としては利用可能額上限の10%以下をキープすると良いでしょう。
自分で設定しないと自動で銀行から引き落としされない
日本のクレジットカードの常識に慣れていますと、何もしなくても使った分は翌月銀行から引き落としされるものと思いがちですが、アメリカではそうではありません。
アメリカでは自ら設定しなければ自動で引き落としされません。
そんなことを知らずに支払いがされなかった場合、延滞金はかかりますし、クレジットスコアに傷も付きますし最悪です。
払い忘れを防止すすためにも、必ず自動支払い(Autopay)を設定しましょう。
Amexの場合は上図のように"Payment"の"Manage Autopay"の項目から設定できます。他の会社でも似たような項目があります。
クレジットカードの作成はクレジットスコアに大きな影響を与えない
クレジットカードを作成すると少しクレジットスコアは下がります。ただしこれは一時的なものです。
クレジットスコアの大きな要因は1.支払い履歴、2.クレジットの使用率、3.クレジットヒストリーの長さ、です。
1.と2.については前の項目で述べた通り、支払い遅延が無いよう、使用上限を圧迫しないよう、すぐ支払することが大切です。そしてクレジットヒストリーの長さは渡米したてではどうすることも出来ません。
確かに新規のクレジットカードを作ることはクレジットスコアに影響を及ぼしますが、問題のない支払いを続けていれば3~6カ月で回復します。
そして多くの場合、クレジットカードを作るのは大体この程度の周期です。よってこれは大きな問題にならないと言えます。
とは言え、今後住宅ローンを組むとか、車の購入でローンを組むといった予定がある場合は、金利にも影響を及ぼしますので自重したほうが良いでしょう。
出来るだけ早く年会費無料カードを作り、キープしたほうが良い
先ほどクレジットスコアの要因としてクレジットヒストリーの長さをあげました。これはつまり一番長く維持しているクレジットカードということです。
そのため出来るだけ早く年会費無料のクレジットカードを作ることをおすすめします。年会費有料のカードは維持が大変ですからね。
ただし、多くの年会費有料のカードは無料カードへダウングレードすることも出来ます。解約しようか悩んでいるカードが一番長く維持しているカードの場合、ダウングレードするのも良いでしょう。ダウングレードであればクレジットヒストリーの長さを維持できます。
各カード会社に独自のルールがある
各カード会社によって作れる枚数であったり、一度に申請出来る枚数が決まっていたりします。
初心者がお世話になることが多いであろうAmexとChaseのルールを簡単にまとめます。
American Express
アメックスは2種類のカードを発行しています。クレジットカードとチャージカードです。
チャージカードとは支払いを翌月に回すことが出来ず、全額払う必要のあるカードです。Amex GoldやThe Platinumはチャージカードです。
それ以外のカードがクレジットカードと呼ばれ、Amexのクレジットカードは最大4枚までしか持てません。
ですが今ではチャージカードも金利はかかるものの分割払いに対応しており、境界は良くわかりません。
詳しくは下記記事で紹介していますのでそちらもお読みください。
Chase
Chaseには5/24ルールと言われる24カ月で5枚までしかクレジットカードを作ることが出来ず、6枚目は申請しても承認が下りないといったルールがあります。
ただしビジネスカードはこれに含まれません。
これについても別記事で詳しく解説していますのでそちらを読んでいただければと思います。
カードを作った日を記録しておくと後で役に立つ
クレジットカードを沢山作る場合、カードを作った日や解約日を記録しておくと将来非常に役に立ちます。
これは上記で述べたように、各カード会社で様々なルールがあり、その多くがカードを作った日(≒申請日)の影響を受けます。
例えばChaseの5/24ルールのため、24カ月で5枚しか作れないが、いつになったら次の1枚が作れるのかといったことが申請日を記録していれば計算出来ます。
少なくとも、1.申請日 2.承認日、3.サインアップボーナスを受け取った日、4.解約日、を記録しておくと良いでしょう。
カードの解約は1年待つ・年会費は請求からすぐなら返ってくる
カードの解約はカード作成から1年後の年会費が発生するころまで待ったほうが良いでしょう。
例えばサインアップボーナスを受け取ってから、すぐ解約などしているとカード会社から目を付けられて次回以降の承認が下りにくくなるかもしれません。最悪、規約に書いてあるより早く解約した場合はサインアップボーナスの没収もあるかもしれません。
年会費は嬉しくないものですが、実際は請求が発生してからすぐ解約を申し出れば全額返金されます。もし多少遅くても日割りされて返金されます。
ですのでもう使わないなと思ったカードでも最低1年はキープしたほうが良いでしょう。
カード更新時(年会費発生手前)にオファーがボーナスがもらえることがある
カード更新時、電話やチャットで「解約を考えているんだけど~」と言うと大体引き止めされます。その時に聞いてみると「じゃあ$2,000使ったら20,000ポイントあげるよ」といったオファーをもらえたりします。(体験談)
単に「解約してください」と言うとたまにとんとん拍子で話が進むのであくまで「考えている」という体にするのがポイントです。
年会費発生のタイミングは事前に電話やチャットで確認出来ますので、その1週間~3日前ぐらいに連絡するのがおすすめです。1週間前に聞いても無かったオファーが3日前に連絡したら有ったということもあるみたいなので出来るだけギリギリが良いみたいです。
ビジネスカードは怖くない
ビジネスカードは最初ちょっと作るのに気後れするかもしれませんが本当に大したことはありませんし、パーソナルカードと同じ感覚で作ることが出来ます。
傾向としては少々ミニマムスペンド(サインアップボーナスを受け取るための条件)が高いですが、個人の支出でもまかなえる範囲のものも多いです。
対象者の条件は、"ビジネスを行っている人"だけではなく、"ビジネスをやろうと思ってる人"も含まれるのがポイントです。言ってしまえば、やろうと思ってるかどうかなんてことは本人以外分かりようのないことなのです。
クレジットカードを作って効率よくポイントを貯める道を上では避けては通れないビジネスカードです。
少し慣れてきたら是非挑戦してみて下さい。ちなみに最初のビジネスカードにはAmex Blue Business Plusがおすすめです。
貯めたポイントは使わないと価値がない
当たり前のことなのですが、カードを作ってポイントを貯めていくと忘れがちになるのがこの事実。
年会費高いけどサインアップボーナスでプラスだ、と喜んでいてもそのポイント使って初めてプラスになるのです。ポイントは現金ではありません。
そして飛行機の予約に必要なマイルスが増えていたり、ホテルの宿泊に必要なポイントが増えたりとインフレしていくのが世の常です。
今年使うより、去年使っておいた方がお得だったなんてことはよくあることです。
特にエアライン系、ホテル系はポイントを使う予定を立ててから使うのがおすすめです。
例えば、「今年はカンクンに行きたい!」→「ホテルはHiltonが良さそう、飛行機はUnitedが便利そう」→「HiltonとUnitedのカードを計画的に作ろう!」といった感じや、「今年は日本に帰りたい」→「座席アップグレードしたいな」→「ANAマイルにポイント移行出来るAmexのカードを作ろう」といった感じです。もちろん必要になるマイル・ポイントの確認もお忘れなく。
以上、お読みいただきありがとうございました。皆さまのクレジットカードの作成の一助になれば幸いです。
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