皆さんはX1 Cardというクレジットカードをご存じでしょうか。
このカードは2020年に登場した、金融テクノロジー新興企業の提供するカードです。
今回はこの自称、史上最もスマートなクレジットカード、X1 Cardについて確認していきましょう。
【評価・年会費・特典】
X1 Card | ||
---|---|---|
おすすめ度 | ★☆☆☆☆ | |
年会費 | $0 | |
ポイント還元率 | 2%~10% | 可変 |
サインアップボーナス | なし | |
その他の主な特典 | 仮想カードの利用可 | |
外国為替手数料 | なし | |
公式サイト | x1creditcard.com |
まず最初に、はっきり言うと特別おすすめ出来るカードではありません。
理由の1つ目はサインアップボーナスも無く、ポイントをマイルやホテルパートナーへ転送できないこと。
2つ目は新興企業のカードのため、ポイントプログラムがどれくらい維持できるか怪しい、改悪の可能性が高そうなこと。
3つ目はネットの口コミを見る限りトラブル時のカスタマーサービスの対応が非常に悪そうなこと。
総合的に見て、大手のクレジットカードを利用せず、わざわざこのカードを作るほどのメリットは感じません。
年会費無料でメタルカードなのはあまり聞かないので、見た目重視だったり、他とは違うカードを持ちたい人には良いかもしれません。
とは言えこれで終わってしまっては面白くないのでもう少し掘り下げて、X1 Cardを見ていきます。
ちなみに同じく名前にXの入っているCapital One Venture Xとは完全に別物です。
【X1 Cardの特徴】
クレジットスコアではなく収入重視の承認プロセス
通常クレジットカードの申請が承認されるかどうかや、カードの限度額はクレジットスコアに基づいて決定されます。
しかしこのカードはクレジットスコアよりも収入を重視してこれらを決定します。
ですので収入は高いけどアメリカでのクレジットスコアは高くないといった人に向いているカードです。
ちなみに公式サイトには「クレジットに影響を与えず申請可能」とあります。これは嘘ではありませんが申請後、承認されれば影響は受けます。
つまりカードを作成すれば普通にクレジットカード作成として信用情報に記録されますし、当然Chase5/24ルールをはじめとしたクレジットカード作成枚数にカウントされます。
仮想カードが利用可能
X1は通常のカードのほかに、24時間で自動的に使えなくなるカードと1度使用すると使えなくなるカードの2種類の仮想カードを提供します。
例えばちょっと怪しいサイトの買い物には1度きりの仮想カードを使ったり、サブスクリプションの無料トライアル登録のときに24時間で利用できなくなる仮想カードを使ったりと言った使い方が出来ます。
これは結構良さそうな機能で、このカードの唯一のまともなメリットと言って良いでしょう。
とは言えこれがカードを作る理由になるかと言えば、個人的にはそれほど大きな要因にはなり得ません。
利用額によってポイント還元率が変わる
X1 Cardは$100で1ポイントを基本として、月の最初の$1,000までの利用額については2倍の還元率、$1,000~$7,500の間では3倍、以降はまた2倍となります。
さらにこのカードの紹介ボーナスとして7~30日間、還元率が4~10倍となります。たいていは7日間で4倍のようです。
ユニークな取り組みですが、そもそもこのカードのポイント価値が0.7~1セントでAmex MRポイントやChase URポイントのようにマイルやホテルポイントへ転送することは出来ません。
【デメリット】
サインアップボーナス無し
年会費無料のカードでも$200以上の価値のあるオファーがあることは珍しくないので、これが全くないのは残念な点です。
特にアメリカでクレジットカードを使ったポイ活をする人にとってはサインアップボーナス目的でカードを作ることは常習化していますので無いと一段魅力が下がってしまいます。
とは言えそれを上回るベネフィットがあれば問題ないのでこれは決定打にはなりません。
ポイントの価値が低い
このカードのポイントの価値は1ポイント=0.7~1セントの価値となっています。
しかし1ポイント=1セントで使えるのは公式サイトで紹介されている一部のパートナ企業だけです。
AppleやNike、大手エアライン企業など使うのには困らなさそうではありますが柔軟性の低さは使いにくさにつながります。
またエアラインマイルやホテルポイントなどへの転送は出来ないのでAmexやChaseのポイントのように1ポイント=1セント以上の使い方も出来ません。
キャッシュバックやAmazonでの使用となると0.7セントの価値となってしまうので出来る限りパートナー企業で使って価値を高めたいところです。
個人的には公式の規約を読んでも「1ポイント=1セント未満」のような書き方で、具体的な数値が書かれていないことが不信感を抱きました。
カード特典が維持されるか不明
これが実際一番のデメリットかもしれません。
実際にX1 Cardは当初、1年間で$15,000した場合、すべての利用で3倍の還元率を謳っていました。
しかしこれは維持出来なくなったのでしょう、現在は3倍の還元率には上限が付きました。
今後もどうなるかは分かりません。
Web上のカスタマーサポートの口コミはイマイチ
実際に私が体験したわけではありませんが、この記事を書く上でネット上の口コミも調べましたが批判的なものを多く見ました。
これも新興企業ゆえのもので仕方のないことかもしれませんが、やはり大手のサポートと比べると足りないのは現実としてあるでしょう。
ただ口コミは1年以上前のものも多く見られたので、現在は改善しているかもしれません。
【メリットもそこまで…】
還元率もそれほど高いわけでは無い
紹介特典による還元率の増加を除けば、このカードの最大の還元率は月にちょうど$7,500を使った場合の2.86倍です。(最初の$1,000までは2倍、後の$7,500までは3倍)
X1のポイントは上手く使ても1ポイント=1セントが上限です。ですのでX1 Cardの最大還元は$100に対し$2.86です。
これに対し例えばAmexのBlue Business Plusは年$50,000の上限があるとは言え、ポイント還元率は2%です。
Amexのポイントは1ポイント=2セントの価値があると評価されていますので、実質的には$100に対し$4の還元があると言えるでしょう。
ChaseのFreedom Unlimitedもポイント還元率は1.5%ですが、Chaseのポイントも1ポイント=2セントの価値があると評価されていますので、こちらも実質、$100に対し$3の還元があると言えるでしょう。
もちろんAmexやChaseのポイントを上手に使えるという前提条件はありますが、実際のドルに換算した還元率を考えるとそれほど高くないと言えます。
紹介特典はポイント還元率が上がるよりも…
紹介特典で還元率がランダムでMAX10%、たいていの場合は4%に増加しますし、これはそれほど悪くありません。
しかし紹介特典はAmexやChaseなど他の大手の会社でも提供しており、そちらは固定で10,000~40,000ポイント手に入るケースが多いです。
好みにもよるのかもしれませんが私には固定でポイントが手に入る方が魅力的に映ります。
X1の還元率が上がる期間もランダムで7~30日間となっていますが、この期間内に狙って大きな買い物が出来るか分からないと言うのも厳しい点です。
【どんな人に向いているのか】
ではこのカードはどんな人に向いているのでしょうか。
それはクレジットスコアが低かったり、クレジットヒストリーが貧弱だが、収入はあり、月に安定して$7,500程の出費がある人、と言えるでしょう。
アメリカに移民したばかりだけど収入は多いぜ!って人ですね。このような方が最初にあげたリスクを承知で作るのであれば良いでしょう。
もしくは旅行を殆どせず、高還元率のカードが欲しい人です。
AmexやChaseのポイントの価値が高いと言っても、旅行しない人にとっては価値の最大化が難しいのも事実です。
そういった人でクレジットスコアが低かったり、クレジットヒストリーが貧弱であればこのカードも選択肢に上がるのかもしれません。
【対抗カード】
Citi Double Cash Card
シンプルで使いやすいカードをお探しでしたら常時還元率2%のCiti Double Cash Cardがおすすめです。
大手Citiグループなので安心です。X1と違い海外為替手数料がかかることは注意です。
Chase Freedom Unlimited
こちらも年会費無料で無難なカードです。
旅行では5%の還元率があり、レストランやドラッグストアでは3%、その他でも1.5%の還元率があります。
さらに上位のSapphireカードなどと組み合わせることでさらにポイントの価値が高まります。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。ユニークで面白いカードではあるのですが、やはりそれだけでは作る気にはなりません。
本文では紹介しませんでしたがメタルカードで見た目カッコいいのはメリットですかね。
今後ポイント転送のパートナーが追加されたりと、ポイントの使い道が改善すれば化ける可能性のあるカードです。
その辺を期待して、今は様子見を決め込もうと思います。
以上、お読みいただきありがとうございました。皆さまのクレジットカードの作成の一助になれば幸いです。
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