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2024/02/12

Credit Card Churning と Manufactured Spending の世界

Credit Card Churning と Manufactured Spending の世界


クレジットカードの特典の世界を知ると、時々聞きなれない言葉に遭遇することもあるかと思います。

Credit Card Churning や Manufactured Spending はそんな中で時々目にする言葉ではないでしょうか。

今回はこの2つについて解説していきます。


【Credit Card Churning とは】

Credit Card Churning とはサインアップボーナス・ウェルカムオファーの受け取りのみを目的としてクレジットカードを開設・解約するプロセスです。

大抵の場合、2年目の年会費が発生しないように調整してクレジットカードを解約します。

初心者のうちは3ヵ月に1枚ぐらいを目安に新たなクレジットカードを開設しますが、上級者になると1カ月の間に複数枚カードを開設することもよくあります。

アメリカでは大量のポイントやマイルを手っ取り早く獲得出来る手段で、違法ではありませんが、デメリットはあります。

また大抵のクレジットカード会社はこれを阻止すべく、各々ルールを設けています。

直感的に分かりやすいですし、もらえるポイントも大きいのでアメリカでのクレジットカードのポイ活の基本はこの戦略になります。


【Credit Card Churning の例】

チェス

Credit Card Churning の例をあげてみます。

1年目に Amex Platinum を作ったとしましょう。

サインアップボーナスの条件を満たし、ポイントを獲得し、エアラインクレジットなどのカード付随の特典も最大限使います。

そして2年目に年会費がかからないギリギリでカードを解約すると同時に、Amex Business Platinum を作るか、もしくはパートナー名義で Amex Platinum 作るかして再度サインアップボーナスを獲得を目指します。

これを多くのカード、かつ短期スパンで実行することで、多いと毎月クレジットカードの開設と解約を繰り返しながら大量のポイントを獲得することが出来るのです。


【Credit Card Churning のメリットとデメリット】

メリット・デメリット

メリット

何といっても大量のポイントが手に入ります

甘く見積もっても年間数千ドル、やる人は年間数万ドル相当のポイントを手に入れることも出来ます。

獲得できるポイントやマイルは旅行に使う事で価値を最大化出来るので、これを使ってアメリカ内外での旅行を楽しむ人が多いです。

もちろん旅行が好きでなくとも、ポイントの現金化の手段はあるので経済的なメリットがあります。

デメリット

クレジットスコアについては多少なりとも悪い影響が出ます

近い将来、住宅ローンや住宅ローンの借り換え、または自動車ローンの利用を考えている場合は、これを理解し計画的に実行することが大切です。

また性質上多くのクレジットカードを持つことになりますので、クレジットカードの管理が大変になるという問題もあります。

特に支払い遅延が発生すると台無しですので注意しましょう。


【Credit Card Churning を防ぐクレジットカード会社のルール】

ルール

想像するに難くないでしょうが、Credit Card Churning はクレジットカード会社にとって歓迎するものではありません。

クレジットカード会社にとってサインアップボーナスは詰まるとこ餌であり、彼らにとって餌だけ食べられるのは面白くありません。

そのため彼らは Credit Card Churning を防ぐためのルールを持っています。

有名なところでは Amex は同じカードで2度サインアップボーナスを受け取ることは出来ませんし、Chase は24ヶ月で5枚以上クレジットカードを作った顧客に対し新たなクレジットカードを承認しません。

これらのルールは各クレジットカード会社により様々です。

Credit Card Churniner はこれらのルールを把握し抜け道を探しながらチャーニングを行うのです。

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【Manufactured Spending とは】

ロボットアーム

Manufactured Spending とは実際のお金を使わずにクレジットカードによる支出を生み出すプロセスです。

多くの場合、無料もしくは小額の手数料で支出を意図的に作り、それを現金として回収し購入の代金に充てることでプロセスを回します。

これにより実際にお金が出ていくこと無く、サインアップボーナスのためのミニマムスペンド(支出条件)やカード利用によるポイントなどの特典を獲得出来ます。

例えば Amex Business Platinum のサインアップボーナスの条件は3カ月以内に$15,000を使用することですが、普通に生活していてはこの条件を達成することは困難な人が多いでしょう。

そこで Manufactured Spending のテクニックを使って支出をでっち上げ、条件をクリアするのです。

Manufactured Spending はクレジットカード利用によるポイントの獲得やサインアップボーナスはもちろん、年間数万ドル使う事で手に入る高額出費の特典、例えば年間$15,000支出することで手に入る World of Hyatt の無料宿泊特典や、AAdvantage Executive を利用して手に入るロイヤリティポイントでワンワールドのステータス獲得などを目指します。

規模は様々ですが、月に数百数千ドルから、極まっている人は数万ドルをでっち上げているようです。


【Manufactured Spending の例】

もっとも基本的なものはギフトカードにまつわるものです。

例えば $200 のギフトカードをクレジットカードで購入し、それをどうにかして銀行口座に入金することが出来れば、実際に出費をせずに $200 の Manufactured Spending を達成したということです。

また転売もある意味で Manufactured Spending の手法の一つです。

$3,500 の Apple Vision Pro をクレジットカードで購入し、$4,000 で売ることが出来れば(ことの良し悪しはさておき)税金と送料等を差し引いての差分利益と $3,500 の Manufactured Spending を達成できます。

これらの手法は原始的な例ですが、最近はフィンテック企業のサービスを利用して様々な手法が生まれては消えています。


【Manufactured Spending の大きなリスク】

ぐにゃあ

Manufactured Spending は違法ではありませんが傍から見れば違法行為に見える場合はあります。ちなみに Structuring は違法です。

そのため銀行口座やクレジットカードのアカウントのシャットダウンのリスクがあります。

例えばあなたのクレジットカードの利用履歴が$200使って、$200返済して、という行為を繰り返していたらどう見えるでしょうか。

多くの銀行はあなたが違法行為を行ったと確定する前に、怪しい動きを感知した時点でアカウントをシャットダウンします。

Amex や Chase などのクレジットカードが二度と作れなくなったり、シャットダウンによってポイントが回収できなくなれば大ダメージです。

シャットダウンまで行かなくとも Amex は以前にギフトカードの購入で獲得したポイントを回収したという事もあります。

また Manufactured Spending の過程でお金を失うリスクもあります。

先の例では転売を挙げましたが、想定通りの金額で売ることが出来なかったらどうでしょうか。

ギフトカードの例でもギフトカード詐欺に合うリスクも伴います。

Manufactured Spending で出費する額は、最悪失っても仕方ないと思える範囲で行うことが大切なリスク管理になります。


【Manufactured Spending の手法はあまり表に出てこない】

メイクマネー

Manufactured Spending の具体的な手法はネットの海を探しても現在有効なものを見つけるのは中々の困難が伴います。

これにはいくつか理由があります。

最も大きいと考えられる理由は、見つかった手法が多くの人に知られることはその手法が使えなくなることと同義だからでしょう。

またそもそも褒められたものではないという事も理由の一つでしょう。

Manufactured Spending によってお金を稼げるという事は、どこかでその割を食っている人がいます。

それは手数料を回収できないクレジットカード会社やサービスの提供元かもしれませんし、プロモーションを行っているショップかもしれません。

当然割を食っている側はそうならないように対策を講じますので、その手法が使えなくなる可能性は高いです。

多くの場合、こういった情報はクローズドコミュニティ内で共有されます。

探究者同士が新しいものを見つけては試してみて、上手く行ったか失敗したのか情報共有し、その試行錯誤の上に新たな発見があります。

そのため労力をかけて見つかった新しい手法がすぐ使えなくなってしまっては元も子もないので、こういった情報はコミュニティ内で秘匿される傾向があります。


【過去に存在したヤバすぎるMS】

行き止まり

過去の同じ手法は使うことが出来ませんが、そこから学べることはあります。

今ではもう利用できませんが過去に存在した MS の手法をいくつかご紹介します。何れも違法性は無かったというのがすごいところです。

ちなみに MS とは Manufactured Spending の略です。

大統領1ドル硬貨プログラム

参考リンク

2005年に米国政府は新しい1ドル硬貨の導入を推進するために、米国造幣局の Web サイトから1ドル硬貨を購入することが出来るようにしました。

しかもクレジットカードで購入が出来て送料は無料。

結果、大量に1ドル硬貨を購入して、1ドル硬貨を銀行に預けなおすだけで大量の MS を可能にしました。

この記事によると彼は時間をかけて約300万ドル分の硬貨を購入したそうです。

最終的に米国政府がこのコインプログラムを閉鎖することになり、今では過去の産物です。


PayPal My Cash カード

参考リンク

PayPal My Cash カードは手数料$3.95で$500までチャージ可能なカードでした。

これらはドラッグストアなどで購入でき、PayPal残高として扱われるのでそのまま銀行口座に送金可能でした。

手数料は1%未満ですので大抵のクレジットカードではプラスになりますよね。

月最大$4,000までチャージ可能な手段で、シャットダウンを避ける方法も探られましたが、最終的にはサービスは終了しました。


Revolut

参考リンク

これはカナダでの手法ですが、Revolut というアプリが利用されました。

Revolut はクレジットカードでチャージ可能なデビットカードを提供しており、このデビットカードに入金された金額は銀行口座に直接引き落とすことが出来ました。

しかも手数料もかからず、キャッシング扱いもされなかったため最終的に週で1万ドルをチャージ&引き落としをする猛者が現れ、手法も広まった結果 Revolut はサービスの提供を終了しました。


【まとめ】

まとめ

いかがだったでしょうか。ある種マネーゲームにも見える Credit Card Churning と Manufactured Spending の世界を紹介しました。

どちらもあなたでも試すことが出来ますが、相応のリスクは伴います

Churning まででしたら許容できるリスクと判断出来る人も多いでしょうから、始めるならそこからが比較的マシではないでしょうか。

Manufactured Spending はよりリスクは大きくなりますが、獲得できるものもあります。

当サイト及び当記事ではこれらを推奨するものでもありませんので、試してみるならご自身のリスク許容度と責任の範疇でお願いいたします。


以上、お読みいただきありがとうございました。皆さまのクレジットカードの作成の一助になれば幸いです。

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